中国に着いて初めて晴れ渡った光景を窓から眺める事が出来た。
やはり天気が良いと少しは気分が良くなります!霧の無い窓からの光景は、
昔によく通った埼玉の浮間の河川敷の景色にそっくりだった。
何か、懐かしささえ感じる。
今日の予定は11時頃にエコー検査が入ってるらしいが、
今回も朝ご飯を少しなら食べても良いっていう驚きの説明を受けた。
日本では考えられないね!程なくして11時になりエコー検査の検査室に行ったのだが、
更に!更に!!驚いた話が出る!!!
医師から最初に発せられた言葉は、オシッコを貯めてきてるか?だって!!
ハァっ!?何だそりゃ?エコー検査でそんな事言われたのは初めてだよ!
まぁ、幸い朝の6時過ぎにトイレに行ってからは、して無かったので
問題は無かったが、それならそれで先に言えや!って思った。
しかし、意思の疎通が出来なかったり、初めての中国でましてや正に命がけできたって事もあり
ナーバスになってるかと思うが、もっと今回の訪中は、本当に大変恵まれているって事を
改めて理解しなければいけないな..。もっと強い精神力が欲しいと思った。
エコー検査の後、初めて病院内の売店に立ち寄ってみた、少しワクワクするな〜!
どんな商品が有るんだろう?
因みに、数日前に妻が見に行った時は棚はカラカラで品揃えが無いって言ってたが、
見るとやたら充実していた。
後で聞いた事だが木曜日に商品が入荷する日らしく妻は一番品薄な日に行ってしまったらしい。
食品の棚には、日本でも売ってそうな商品や、日本語で書かれてるクッキーなども有り、
中でも面白かったのはプリッツが発売元はグリコで売られていて
パッケージに書いてある文字は商品名で「百力滋」で上に英語でPRETZと、
書いてありglicoの文字の下に「格力高」と書いてあった!
一箱4元でしたよ、日本円にすると65円位に成りますかね〜、高いんだか安いんだか微妙な感じです。
何せ、他の中国のお菓子類は大きな袋やパックに入って2〜3元位でしたからね!
輸入菓子(こちらから見れば)は、やはり少し高めに設定されている様でありますな。
幾つかの品を買い部屋に戻り、もう検査などは無いので部屋に軟禁状態となる訳ですが、
時間を見ると11時過ぎでアッという間に昼食の時間になる、
ただこちらの食事の量がやたらと多くて本当に美味しいのだけれど、
妻と二人で半分以上残してしまう事になる。
だから、食事から食事の時間がやけに短く感じる、
特に僕は動いてないから更にお腹が減らないんだけどね。
趙さんは、「本当に足りますか?一杯たべなきゃ、
中国の楽しみは食べる事だよ」って言ってくれるが、とてもじゃないが無理だよ!
逆に「趙さんはお昼食べ切れたの?」って聞いてみたら普通に完食しましたよ、って笑顔で言われた。
趙さんは、背も小さくて可愛らしい感じで風貌からは、
その食欲は想像し辛い物が有った(ギャル曽根か!)
中国の人のバイタリティーは、食に在りって所を見た感じでした。
この日僕にとって中国に着いて初めての重大な転機を迎える事となる。
当たり前の話だが、当事者の僕以外はビジネスで訪中してる訳で妻の会社の社長、
一番通訳の上手な黄さんにテレビクルーの方々は、今日の便で日本に帰る事になっていて、
2時には病院を出なければならないそうです。
皆さん方は、近くのスーパーに妻を連れ手買い物に行ってくれていたので、
荷物を持って最後の挨拶に部屋に総出で訪れてくれた。
その際にはカメラマンの久保田さんが音楽好きな僕の為にPC用スピーカをプレゼンとしてくれた!
妻の会社の社長さんは、お茶を使いやすいティーパックタイプの物で沢山買ってくれて、
アロマセットに、元気になった時の出歩き用にウエストポーチをプレゼントしてくれました。
涙が出てきた...もうそんなに泣かない積もりだったのにな...別れを惜しむ気分と、
本当に右も左も分からない所に取り残される様な
何とも言えない不安感や恐怖感も同時にこみ上げて来た。
ただ、ココまで来た以上、ココまで皆に良くして貰って泣き言を言う積りは、これっぽっちも無い、
むしろ今まで何かしら緊張感が無く観光気分の様な自分を恥じて、
治療にしても語学にしても居る間に少しでも努力してよくして行かなければと再認識し直した場面
でも、有った...その後台湾の李社長から英語で、
「頑張れ!もっと病状の悪い患者さんも元気に帰って行ってるし、あなたは見た目は病人に見えない位、
体力も有る、歩けない状態で入院して来た患者さんも、今は元気に廊下を歩けるまで回復してる方もいる!
だから、心配せずに治療に専念して信じる心が大事だ!」
って言われました。
最後は何か大演壇の様な形の別れになったが色々と心にもケリが付いた。
しばしすると点滴の時間で皆さんを隣の部屋に残したままで、
1人ベッドルームで横になっているとカメラマンの久保田さんが隣の喧騒をよそに、
そっと握手をしに来て、一言「頑張って下さいね」と、優しく声を掛けてくれて、力強く握手してくれた。
何かこの数日間で一番、感極まった瞬間な気がした...
考えてみると妻以外に一番会話をしてる人って久保田さんだったと思う。
何かインタビューを重ねて行くごとに自分の心深い所までスルスルって入って来るかのように、
自分もバーテンダーだから、そういう作業は得意な方だが、
こんなナーバスな数日間でも飄々としてかわしてくれたりして初めての撮影のプレッシャーを
感じさせず何となく気付くと横にいるような方でした。
それ故、とめど無く涙が自然と溢れ出してた...
本当に泣き過ぎだと自分でも思うが堪え様が無かった。
これにて、僕と妻との本当の意味での中国での奮闘が始まる。
そして通訳の趙さんにも一苦労も二苦労もして貰わなければならない。
明日はついに中国での初めての塞栓術を行う事になる、
当日は痛みでのた打ち回ってる事は間違いなく、術後は2〜3日したら手術による為の発熱、嘔吐、
患部の痛みなどが続く事は過去2回の塞栓術を体験して来ているので覚悟は出来ている。
むしろ、初めて体験する術式ではなくて良かったと思う。
どんな、痛みが出たり、術後の過ごし方など、
通訳の趙さんが居ても微妙なニュアンスが伝わるかどうかは怪しいし不安度も数倍は高いと思うので、
少しだけ安心して手術に臨めます。
明日の成功を夢見て、今夜は休もう体力を少しでも温存しておかなければ!って事で、
睡眠薬を飲んでトットと寝よう。
お休みなさい。 |